2001/07/25(水)  最後の海とバーベキュー

明日は市街に移動する日。ここ「南の北の家」での1週間強はなんと早かったことか・・・。平野の海で遊べるのも今日が最後だ。


私が最後の夜ということで、夕食はバーベキューパーティーをやってくれるという。そのメニューの主役はサザエとノコギリダイ。それがないとバーベキューは盛り上がらないらしい。獲物は自分達で捕ってくる。だから今日はシュノーケリング道具のほかに、釣り道具・餌・獲物入れの網袋を持っていく。

1時頃に3人して海に向かう。朝から天候も悪く、ほとんど日ざしを感じない。あの強烈な日ざしよりは少し曇っている位が有り難いのだが、海から上がった直後は太陽の恵みが欲しい。でないと寒くて仕方がないのだ。昨日も上がった後がとても寒く、バスタオルに包まり体が温まるのを待った。
暑けりゃ少し曇ってほしいと願うくせに、ずっと曇りだと日ざしが恋しい、人間様は勝手なもんだ。

今日は泳ぐというより獲物捕りがメインなので”プール”と言う場所まで行く。私にはまったく位置方向がわからないのでついていくだけだ。今日もN村さんに誘導してもらう。
泳ぎ出す瞬間はやはり少し緊張する。更に、入ってすぐの所がとても深く暗い底で、呼吸が乱れそうになり焦った。真下ばかりを見ちゃいかんね。前方を見ながら泳いでいるうちにすぐ楽になって、目はまたカラフルな魚を追っていた。
しばらく泳いで”プール”に到着。ひざ上ほどの浅さから急に深くなっている場所で水深は10mくらいなのだろうか、いびつな形のプールのようにそこだけポッカリと深くなっている。一瞬「うわぁっ」と驚いたが目が慣れてくると魚と戯れながら自由に泳いでいた。

ここでまずはサザエ採り。海中で見るとどのような形をしていてどんな場所にいるのかわからない私に、N村さんが最初に見つけたサザエを指して教えてくれた。岩の陰にあり見つけにくい場所だったが、絶対に1つは自力で見つけたかった。N村さんやイソップさんはいくつも手に持ち網袋にどんどん入れている。さすが達人!あぁ私も自分で採ったサザエを食べたい!1人で一生懸命に探す。
んっ・・・あれはサザエっぽいぞ。
おぉ〜サザエじゃサザエじゃ。
サザエちゃん、私の為にここにいてくれてありがとう。
吸盤の抵抗を受けたが、かくして私のサザエとなった。やったぁ♪ 自力で見つけた1つ♪♪

最近は貝も魚も少なくなり滅多に捕ったりはしないそうだ。昔はサザエも多いときには砂袋に満杯になるほどだったらしいが、今ではその十分の一くらいしか見つからないと言っていた。
今日は皆で20個余り。

”プール”の周りはひざ上ほどの浅さなので立つことが出来る。立つと、大海原の真中にニュ〜っと立っているようで妙な気分だ。冷たくなった体をしばらく太陽の恵みで温める。

その間に彼らはノコギリダイ釣りへと移る。
釣りのやり方は水中浮き釣り。水面に浮かびながら、ノコギリダイの群れに近づいて釣り糸を降ろす。魚が近付いてきて餌をくわえた瞬間に糸を引く。
道具がこの写真。
こういう単純なもので良いのね。

ところがいざ釣りをしようと思ったら餌を入れた容器が無くなっていた。N村さんが首にかけていたのだが何処かで流してしまったらしい。さて、どうするのか・・・。
さすが達人、無いなら餌の代わりを見つければいいということで、小さな貝を2つ採ってきて岩で割って餌にする。割った貝を歯で6つに切り分け、釣りを始める。餌が少ないので、餌を食べられることなく魚の口に釣り針を引っかけて釣りたいところ。一度だけそれに成功した。またまた、さすが達人!但し最後の餌はボロボロになってしまい食いつかず、6個の餌で釣れたのも6尾。用意していた餌が無かった状況を思えば、いやいやなんと素晴らしい結果!
面白そうなので私もやってみたかったが、貴重な餌を無駄には出来ないし体もまだ冷えていて観察しているだけにした。

ノコギリダイも釣り終わり、いつもの基地へと戻る。
その後、海岸にいる小さな貝が美味しいというので皆で数十個ほど採った。本当の名前は知らないが皆は「夜出る貝」と呼んでいた。夜になると出てくるかららしい・・・。
網袋に入った本日の獲物は、彼らには少ない量なのだろうが、初めての私にはすごく大漁にみえた。

そうそう、相変わらず足の怪我はジクジクしていて当たると痛いのだが、昨日今日とそれを忘れているほどシュノーケリングは楽しかった。

宿に戻ると庭では大掛かりなテント作りがされていた。時折降る雨を避けるために、スチールパイプを組み上にシートを張る。バーベキューパーティーをするためにこんな大掛かりな作業までしてもらい、いろんな材料も調達してくださったと聞いて、本当に嬉しく感謝でいっぱいだ。

いつもは子供の遊び場になっている砂場で炭火を焚く。ブロックを置き、網板を乗せる。ノコギリダイは串に刺し、炭火の近くでゆっくりと火を通していく。網板にはサザエを並べ醤油をたらして食べ頃になるのを待つ。
私達3人の宿泊客、宿のオーナー夫妻、その息子さん夫婦に子供ちゃん、と全員集合して囲炉裏を囲み、カンパ〜イ♪

おっサザエが食べ頃!醤油の香ばしい香りが効いた貝の汁を吸ってから身をいただく。
う ま〜い!! ビールもすすむねぇ!
さっき自分達で採ってきたばかりの獲物だから美味しさもひとしお〜。
ノコギリダイもとても美味しい魚だった。魚をきれいに食べるのは不得手なのだが、丁寧に隅々まで食べてしまった。

宿の子供達も大はしゃぎ。
桃花ちゃんには最初大泣きされたっけ。でも今日は食べている最中にも背中に乗られるはで、いい遊び相手にされていた。ケンタもやんちゃ坊主だったね。

サザエとノコギリダイが食べ終わると、鉄板に変えて、甲イカ、モツ、レバー、牛肉、野菜、焼きそば、と次々にご馳走を作ってくれる。
お酒もビール2缶の後からは泡盛の古酒をいただいて、これがまた美味しくて何杯おかわりしたか覚えていない・・・。

すっかりいい気分、ほろ酔い気分。見上げればミルキーウェイと無数の星。平野の最後の夜はいつもと同じように更けていき、私は心地良〜く、夢の中へ・・・。

つ・づ・く

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