2001/07/23(月)  市街で飲む

今日は仲間が1人増える日だ。N村さんが最終便で石垣島に到着する。彼を空港に迎えに行き、そのまま市街で飲んで泊まる。イソップさんとN村さんにはこれがいつもパターンらしい。N村さんもイソップさん同様毎年必ず石垣を訪れている人だ。
因みにN村さんには在職中よくお世話になった。というより仕事でかかわる事が多かった。私が退職する際に『次に会うのは石垣だね』と冗談まじりに言われたが、まさか本当にそうなるとは思っていかなった。

N村さんの到着は8時過ぎだったが、宿は1時頃に出発。市街に行くついでに、いろいろな用事を済ませたいイソップさん、車では入り難い市街の観光スポットに行きたい私、と各々フリーの時間が欲しかったからだ。それに私はせっかく市街に行くならお土産も買い揃えてしまおうと思った。
この旅の最終日に市街に泊まるので荷物になるものは最後に と思っていたが、その日の予定を考えると焦って買うハメにもなり兼ねない・・・。

市街に行くまでの途中、昨日時間切れで入れなかった「白保サンゴ村」に立ち寄る。サンゴの生態や環境に関する様々な資料や活動の模様が展示紹介されていた。
私はここで初めてサンゴが”動物”である事を知った。サンゴは卵を産むのねぇ!。
イソップさんには『そんな事は誰でも知ってるよ』とばかにされたが皆さんも知っていただろうか。あの形からどうも植物を想像してしまうのは私だけ???

※右写真の文章が以下。
サンゴは「骨をもったイソギンチャク」です。石灰質でできた丈夫な「よろい」に覆われていて、ポリプという単体からできています。サンゴは卵も産む動物です。お土産屋で見かけるいわゆる「宝石サンゴ」は太陽の光があまり届かない水深20〜200mの深海にいるサンゴで、サンゴ礁をつくる「造礁サンゴ」とは種類が異なります。

サンゴは動物ですが、サンゴ礁はサンゴが集まってできた地形です。サンゴ礁には魚類をはじめ、エビや貝、ナマコなどいろいろな海の生き物が生息しています。サンゴ礁がある海は全体の0.2%しかありませんが、海の生き物の1/4がサンゴ礁に関わっているといわれています。


そのままルート390を市街に向けて走らせると、ちょっとしたショッピングセンターがある。先日の怪我でバンソウコウを使いきり、防水のバンソウコウを買う。毎日取り替える度に膿が出ていてなかなか治らない。3時少し前に市街に着き、7時にまた合流することにしてイソップさんと別れる。

いつもよりは雲が多く日ざしは強くないのだが暑いのには変わりない。まずは喫茶店でアイスコーヒー。ここから歩いていけるはずの観光スポット2つを地図で確認し、7時までの時間配分をおおまかに考える。

まず宮良殿内(みやらどぅんち)という建物に行ってみる。しかし、入って びっくり・がっかり!
上級士族の格式ある構えを残したもので国の重要文化財に指定されているというが、見れる所はこの写真の縁側のような部分だけ。家の中に入れるわけじゃなし、庭が大きいわけじゃなし、1分もかからない。それで200円も取るのか〜って感じ。
次は少し期待して八重山博物館に行く。ところが「月曜定休」の非情な下がり札。そう今日は月曜日。あぁツイてない・・・。

たっぷり残りすぎている時間に苦笑しながらお土産を探すことにする。
まずは適当に道沿いにある土産店を見て回る。友人から焼き物のリクエストがあり、それを決めるのに時間がかかった。結局ガイドブックに紹介されていた「やむちん館」というお店で購入。ここは値段が高めなのだがセンスのいいものが置いてあった。値段が高めというのは、商品の値段が高いというのではなく他の店より高いという意味。ある品をたまたま違う店でも見つけ、それを比較しただけなので全部が高いかどうかわからないが。この店では焼き物のほかにトビハゼの置物も購入。八重山民俗園で見たトビハゼが本当に可愛かったんですよ〜。
また、さとうきび風味のルカコーヒー、2個パックの食べきりサイズが嬉しい紅芋パイ、塩せんべい、など小さい買い物をいくつかの店でする。

そして最後に「石垣市特産品販売センター」でメインのお買い物。
ここは桟橋からほど近い「あやばにモール」内にある。1階は地元のオバァ達が亜熱帯特有の食材を売る公設市場。目の前を通るとフルーツのいい香りが漂ってくる。そして2階が石垣市特産品販売センターである。
石垣入りした初めの2日間(西表島や竹富島の帰り)にもホテルまで近いこともあって覗いてはいたのだ。それで購入目星はつけていた。

石垣島で3店舗しかないガーデンパナというお店がここに入っている。蘭を使った加工品がとても気に入って大量に購入した。蘭の花を梅酢につけて乾燥させた物が入っている塩や砂糖やふりかけ、蘭の花がそのまま綺麗にカップの中で開くお茶、などなど・・・。蘭の塩と砂糖ならほかの土産店にも置いてあったが蘭の花茶はここでしか見られなかった。

時間が余ると思ったが意外にお土産買いで時間はつぶれてしまうようだ。待ち合わせ時間ギリギリ。イソップさんと合流しN村さんを迎えに空港へ向かう。
無事、N村さんとも合流。さすが毎年来ている達人だけあって すごい軽装・・・。思わず『その格好で羽田にも行ったんだよね?』と、わかっているものの聞いてしまった。

本日の素泊まり宿、その名も「旅の宿」に着いて荷物を置く。この宿を決めてくれたのはイソップさんだが、私は2,500円、彼らは2人なので2,000円。いつもなら安くあげる為にもっと汚い(?)1,500円の宿を使っているという。気を遣わせて申し訳ない・・・。ただ、1,500円の宿よりは少しマシな所にした、という言い方だったのであまりいいイメージを持てなかった。宿に着いたら、いやいや、綺麗じゃん!
素泊まり宿というのは初めてだけど、今度また来る時にはホテルじゃなくてこれで充分だ。
そう思えたのは、出発前のいわゆる「観光客」気分が抜けていたからだろう。もし出発前にこの宿を知っていたとしても選ばなかったはずだ。平野という何もない田舎で過ごすうちに、おしゃれなホテルに泊まってリゾート気分を味わう、等には憧れなくなった、ここ石垣島では。

今日の夕飯は近くの居酒屋だ。
ビールで乾杯の後は泡盛!イソップさんお勧めの「請福・自然水仕込み」を飲む。クセがあまりなく飲み易かった。つまみは、海のサラダ盛り合わせ・ゴーヤチャンプルー・島どうふの厚揚げ・ヒラヤチ(お好み焼のようなもの)。どれも全部美味しくて大満足!

続いて2軒目へ。赤ちょうちんのおでん屋さんだ。これが彼らの毎年のパターンで、2軒目は必ずこのおでん屋さんと決まっているらしい。ここでのお酒は「八重泉」という泡盛。私には少々飲みにくい。クセがある。N村さんはこちらが好きなようで1人でガンガン飲んでいた。1軒目でお腹はふくれていたが、おでんの中に一緒に煮込まれてい豚足(テビチ)に惹かれ食べてみた。多くは食べたくないが、まぁイケる。

彼らはただの酔っ払いオヤジと化し、へろへろと歩きながら宿に戻る。午前1時だった。

私はシャワーを浴び寝床についたが、なかなか寝付かれない。外は台風のような激しい雨模様になっていた。だがそれが気にならないほど私の中では自問自答が続く・・・。
飲んでいる最中にシュノーケリングの話が出た。イソップさんが今日までの海での話をN村さんに聞かせる。話題は自然と初心者の私へ移った。民宿で水中メガネは借りたが、その他の道具が民宿にはないようなのだ。まだ本格的(?)に泳いでいない私にN村さんは『もちろん買うんでしょ?』と聞く。
するとイソップさんは『強く勧められない』と言い、何でだかわからないが私に強く勧めたい気分にならないという。意欲を感じれば危なくないように指導もするが、それが全く感じられない。勧める事に躊躇する、と・・・。
やはり私の恐怖感は感じとられていたようだ。当然のことだろう。だが、このままで帰りたくはない。思えば平野の海に入れるのもあと2日しかない。26日の昼には市街に移動してしまう為、明日24日と25日のみ。飲んでいる時には迷いながらもやはり買おうと決めた。だが気持ちはまた揺らぐ・・・。
  2日間しかないのに、買って、もし楽しめなかったらどうしよう・・・。
  安くはない物だぞ・・・。
  勿体無い・・・。
  じゃあ、このまま帰るの?
  それは・・・。
  何のためにここまで来たの?
  よくわからない・・・。
  じゃあ、ここでなくても他の場所に行けば良かったんじゃない?
  そうだよ!ここに来た意味がないじゃん。
  海を楽しめる平野に来た意味がないじゃん。
  平野に来た意味がないじゃん・・・
堂堂巡りを繰り返しつつも、
  平野に来た意味がないじゃん・・・   平野に来た意味がないじゃん・・・!
が強く心に響く。

よし!腹は決まった! 明日、道具を買う! 絶対に楽しむ!

そう決めたらいつの間にか眠っていた。

つ・づ・く

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